2025.11.13
アルミ製缶加工とは、アルミ板を曲げ、切断、溶接を行い、タンク・カバー・ボックス・フレームなどの立体形状をつくる加工のことです。鉄やステンレスの製缶加工と似ていますが、アルミ特有の性質があるため、同じ工程でも求められる技術が大きく異なります。
まず、アルミは鉄よりも熱伝導率が高い金属です。そのため溶接の熱が周囲に一気に広がり、溶けすぎたり、逆に溶けにくかったりといった現象が起きやすく、溶接条件の調整が非常にシビアです。また酸化皮膜ができやすいのも特徴で、これを適切に除去しなければ、ビード(溶接跡)が不安定になったり、強度が落ちたりする原因となります。
さらに、アルミは柔らかく軽い金属のため、加工中の衝撃や熱によって歪みが発生しやすいという弱点があります。特に大型の製缶加工では、完成品の平面精度や組み付け精度を確保するために、溶接順序・治具の使い方・冷却バランスの調整など、熟練した溶接技術と加工ノウハウが欠かせません。
一方で、アルミには大きな魅力があります。軽さ・耐食性・強度のバランスが良いため、電力設備、車両、産業装置、船舶、ロボット部品など、幅広い分野で採用されています。鉄では重すぎる、ステンレスではコストや加工性が合わないといった場面で、アルミ製缶加工は大きな力を発揮します。
アルミ製缶加工は一見シンプルに見えますが、素材特性を理解し、歪みを抑えながら高い精度で仕上げるには専門性が必要です。大常アルミ工業では、アルミ専門の技術者が材料調達から仕上げまで一貫して対応し、図面通りの品質を安定してお届けしています。アルミ加工でお困りの際は、ぜひご相談ください。